
COPD
慢性閉塞性肺疾患(COPD: Chronic Obstructive Pulmonary Disease)は、タバコの煙などの有害物質を長期間にわたって吸入することで起こる進行性の呼吸器疾患です。
■主な症状
特に体を動かしたときの息切れ
長引く咳
痰
喘息のようなヒューヒューという喘鳴(ぜんめい)
呼吸困難
→これらの症状が徐々に進行していくため、早期発見と早期治療が重要です。
■治療の目標
(1)症状や生活の質の改善
(2)運動能力や身体活動性向上と維持
(3)増悪(急に悪くなること)の予防
(4)病気自体の進行の抑制
(5)全身や肺の合併症予防と治療
(6)生命予後の改善
■治療方法
治療は症状の程度に応じて段階的に行います
・軽症の場合
短時間作用性の気管支拡張薬を症状出現時に使用します。
・中等症の場合
長時間作用性気管支拡張薬を定期的に使用し、呼吸リハビリテーションを併用します。
・重症の場合
複数の長時間作用性気管支拡張薬を併用します。最新のガイドラインでは、特定の条件下で3剤併用療法(トリプルセラピー)が推奨されています。
■増悪の予防と対策
増悪(症状が急に悪化すること)を予防することは重要です。
・禁煙
・ワクチン接種
・適切な薬物療法の継続
・定期通院
■日常生活での注意点
・禁煙は最も重要な治療です
・規則正しい生活を心がけましょう
・適度な運動を継続しましょう
・感染予防に努めましょう
・処方された薬は医師の指示通りに使用しましょう
定期的な通院と症状変化の確認が、よりよい治療成果につながってきます。気になる症状がある場合は、早めの受診をお勧めします。
参考: COPD(慢性閉塞性肺疾患)診断と治療のためのガイドライン2022[第6版]