体力測定と健康

みなさんは、体力測定をしたことありますか?また、ご自身の現時点での身体機能や体力を把握できていますか?
「健康診断はあるけど、体力測定は経験がない」という方や「最近は全然測定してない」という方も多いのではないでしょうか。
体力測定は自分の現在の身体機能や体力を客観的に把握し、健康づくりや運動習慣の改善に役立てるためのものです。単に、「運動ができるか」を測るだけではありません。筋力やバランス能力、持久力などの体力は、将来の健康状態や死亡リスクなどと関連することが、多くの研究で示されています。そのため、体力は現在の身体の状態を知るための重要な健康指標の一つといえます。
特に高齢期では、加齢に伴って筋力やバランス能力、持久力などの身体機能が低下し、日常生活の動作や生活の質に影響することがあります。
体力測定の代表的な測定項目
- 筋力(握力)
- 筋持久力(上体起こし)
- 柔軟性(長座体前屈)
- 敏捷性(反復横跳び)
- バランス能力(開眼片足立ち)
- 全身持久力(20mシャトルラン、急歩、6分間歩行)
- 瞬発力(立ち幅跳び、50m走)
※測定項目や方法は、年齢や体力レベル、測定目的によって異なります。
健康づくりで注目したい体力要素
近年、体力や身体機能と、死亡リスク、心血管疾患、身体機能低下などとの関連が、数多くの研究で報告されています。体力にはさまざまな要素がありますが、高齢者の健康づくりでは、筋力・バランス能力・柔軟性・全身持久力などを総合的に維持・向上させることが大切です。
特に、握力などの筋力指標や、全身持久力は、さまざまな健康との関連が報告されています。
握力は、下肢筋力や歩行能力、立位バランスなどの身体機能とも関連することが報告されており、簡便な身体機能のチェック方法の一つです。
また、全身持久力が高い人ほど、心血管疾患による死亡や総死亡のリスクが低いことも、多くの研究で示されています。
一方、バランス能力などの低下は転倒リスクと関連します。厚生労働省の「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」では、高齢者に対して、有酸素運動だけでなく、筋力・バランス・柔軟性などを組み合わせた多要素な運動を行うことが推奨されています。
健康づくりで注目したい主な体力・身体機能
| 測定する能力 | 低下した際の影響 | 対策 |
|---|---|---|
| 筋力 | 立ち上がり・階段昇降などの日常動作の低下 | スクワット・自体重筋トレ |
| 柔軟性 | 関節可動域や身体の動かしやすさに関係 | 毎日のストレッチ、ヨガ |
| 全身持久力(心肺機能) | 心血管疾患・総死亡リスクとの関連 | 歩行などの身体活動 |
体力測定の結果と健康づくりステップ
- 現在地を知る:定期的に自治体の測定会や自宅でのセルフチェックで、自分の体力を数値化する
- スコアの低い部分を把握する:年齢・性別等の基準値と比較し、極端に低い部分を確認する。
- 運動を実践する:低い部分を補う具体的な行動を生活に取り入れる
厚生労働省の「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」では、高齢者について、歩行またはそれと同等以上の強度の身体活動を1日40分以上(約6,000歩以上)行うことが推奨されています。また、筋力・バランス・柔軟性などの多要素な運動を週3日以上、筋力トレーニングを週2〜3日行うことも推奨されています。
主観的健康状態(自分自身の健康状態をどのように感じ、評価しているか)と体力との関連も報告されています。
体力測定は、単に点数をつけるためのものではなく、「今の自分の身体を知り、これからの健康づくりを考えるきっかけ」として活用することができます。体力測定をきっかけに、自分の身体の変化に気づき、日常生活の中で少しずつ身体を動かす習慣をつくっていきましょう。
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