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総合内科・呼吸器内科・糖尿病内科・消化器内科・放射線科

METs(メッツ)とは?運動強度を知って健康づくりに役立てよう

METs(メッツ)という言葉を聞いたことはありますか?
健康や運動について調べていると、『3 METs』『5 METs』など、METsという単位を目にすることがあります。
でも、『そもそもMETsって何?』『数字が大きいほど運動がきついということ?』と疑問に思う方も多いのではないでしょうか。
METsは、運動だけでなく、歩く・掃除をするなどの日常生活における身体活動の強さを表す指標です。
今回は、METsとは何か、どのように考えればよいのか、そして健康づくりにどう活用できるのかを、わかりやすく解説します。

METs(メッツ)とは?

METsは「Metabolic Equivalent of Task」の略で、身体活動の強度を表す単位です。
安静に座っている状態を「1 MET」とした場合、それと比較して何倍のエネルギーを消費する活動なのかを表します。

例えば、厚生労働省のe-ヘルスネットでは、立っている状態はおよそ2 METs、歩く・軽い筋トレ・掃除機をかけるなどはおよそ3 METs、やや速歩や通勤時の自転車などはおよそ4 METs、ゆっくりしたジョギングはおよそ6 METsとされています。つまり、METsの数値が大きいほど、一般的には身体活動の強度が高いと考えることができます。ただし、同じMETsの活動でも、体力や健康状態などによって感じる負担には個人差があります。

METs(メッツ)とは?各活動のMETs値を示すインフォグラフィック

3 METs以上の運動の例(一部)

METs 活動例
3.0 ボウリング、バレーボール、社交ダンス(ワルツ、サンバ、タンゴ)、ピラティス、太極拳
3.5 自転車エルゴメーター(30〜50ワット)、体操(家で、軽・中等度)、ゴルフ(手引きカートを使って)
4.0 卓球、パワーヨガ、ラジオ体操第1
4.3 やや速歩(平地、やや速めに=93m/分)、ゴルフ(クラブを担いで運ぶ)
5.0 かなり速歩(平地、速く=107m/分)、野球、ソフトボール、サーフィン、バレエ(モダン、ジャズ)、筋トレ(スクワット)
6.0 ゆっくりとしたジョギング、ウェイトトレーニング(高強度)、パワーリフティング、ボディビル、バスケットボール、水泳(のんびり泳ぐ)
7.0 ジョギング、サッカー、スキー、スケート、ハンドボール
8.0 サイクリング(約20km/時)、激しい強度で行う筋トレ(腕立て伏せ・腹筋運動)
9.0 ランニング(139m/分)

METsは特別な運動だけに使われるものではありません。厚生労働省の「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」では、さまざまな生活活動についてMETsが示されています。

3 METs未満の生活活動の例

METs 活動例
1.8 立位(会話、電話、読書)、皿洗い
2.0 ゆっくりした歩行(平地、非常に遅い=53m/分未満、散歩または家の中)、料理や食材の準備(立位・座位)、洗濯、こどもを抱えながら立つ、洗車・ワックスがけ
2.2 こどもと遊ぶ(座位、軽度)
2.3 ガーデニング(コンテナを使用する)、動物の世話、ピアノの演奏
2.5 植物への水やり、こどもの世話、仕立て作業
2.8 ゆっくりした歩行(平地、遅い=53m/分)、こども・動物と遊ぶ(立位、軽度)

3 METs以上の生活活動の例

METs 活動例
3.0 普通歩行(平地、67m/分、犬を連れて)、電動アシスト付き自転車に乗る、家財道具の片付け、台所の手伝い、梱包、ギター演奏(立位)
3.5 歩行(平地、75〜85m/分、ほどほどの速さ、散歩など)、楽に自転車に乗る(8.9km/時)、階段を下りる、軽い荷物運び、モップがけ、床磨き、風呂掃除、庭の草むしり、車椅子を押す、スクーター(原付)・オートバイの運転
4.0 自転車に乗る(≒16km/時未満、通勤)、階段を上る(ゆっくり)、動物と遊ぶ(歩く/走る、中強度)、高齢者や障害者の介護(身支度、風呂、ベッドの乗り降り)、屋根の雪下ろし
5.0 かなり速歩(平地、速く=107m/分)、動物と遊ぶ(歩く/走る、活発に)
6.0 スコップで雪かきをする
8.0 運搬(重い荷物)

※活動の速度や方法などによってMETsは変わります。

「身体活動」と「運動」は同じではない?

ここで覚えておきたいのが、「身体活動」と「運動」の違いです。

厚生労働省の「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」では、身体活動とは、安静にしている状態よりも多くのエネルギーを消費する、骨格筋の収縮を伴うすべての活動とされています。

そのうち、日常生活における家事、労働、通勤・通学などは「生活活動」、健康や体力の維持・向上を目的として計画的・定期的に行うものは「運動」とされています。

つまり、健康づくりを考えるときには、スポーツやトレーニングだけを見るのではなく、

  • 歩く
  • 自転車に乗る
  • 掃除をする
  • 買い物をする
  • 階段を使う
  • 仕事で身体を動かす

といった日常の活動も含めて考えることができます。

「運動する時間がないから、身体活動量も少ない」とは限りません。日常生活の中で身体を動かす機会を増やすことも、身体活動量を高める方法の一つです。

身体活動量の目安は?

18〜64歳の日常生活で身体を動かす基準:3 METs以上 × 1週間 = 23 METs・時間

18〜64歳の身体活動量の目安(厚生労働省の「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」):

3 METs以上の身体活動を、1週間で合計23 METs・時以上

例えば…

  • Aさんの場合:犬の散歩(3 METs)を1時間×7日間=21 METs・時
Aさんの例:犬の散歩3メッツ × 1時間 × 7日間 = 21メッツ・時
  • Aさんの場合(続き):週1回の水泳30分(のんびり泳ぐ:6 METs×0.5時間×1日)=3 METs・時 → 合計:24 METs・時 ✅
Aさんの例:週1回の水泳30分(のんびり泳ぐ)6メッツ × 0.5時間 × 1日 = 3メッツ・時
  • Bさんの場合:料理や食材の準備(2 METs)週7回×1時間=14 METs・時 + 家で軽い体操(3.5 METs)週7回×15分=6.125 METs・時 + 散歩(ゆっくり:2 METs)週7日×30分=7 METs・時 → 合計:27.125 METs・時
Bさんの例:毎日の生活の中でこんな活動を取り入れてみましょう(料理・体操・散歩)

ただし、18〜64歳の「週23 METs・時以上」という推奨は、3 METs以上の身体活動が対象です。Bさんの場合、料理や食材の準備(2 METs)や非常にゆっくりした散歩(2 METs)は3 METs未満のため、推奨量の計算には含めません。

また、3 METs未満の活動は健康に意味がないということではありません。厚労省は、推奨値に満たなくても「今よりも少しでも多く身体を動かすこと」を推奨しています。料理、ゆっくりした散歩、洗濯なども身体活動ですし、座位時間を減らすという意味でも重要です。厚労省も、家事などの低強度活動を増やすことを勧めています。

個人差を踏まえた取り組みを

健康づくりでは、必ずしも強度の高い運動をすればよいというわけではありません。厚生労働省のガイドでも、個人差を踏まえて強度や量を調整し、「今よりも少しでも多く身体を動かす」ことが基本的な考え方として示されています。

体力や健康状態には個人差があります。特に、持病がある方、運動器に痛みがある方、これから運動を始める方などは、無理に強度を上げるのではなく、自分の状態に合わせて取り組むことが重要です。厚生労働省も、身体活動・運動を安全に行うため、健康状態の確認や運動前後の体調確認などを挙げています。


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参考文献
1. e-ヘルスネット「メッツ / METs」. 厚生労働省.
2. 健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023. 厚生労働省. https://www.mhlw.go.jp/content/001194020.pdf
3. Ainsworth BE, et al. 2011 Compendium of Physical Activity: a second update of codes and MET values. Med Sci Sports Exerc. 2011;43(8):1575-1581.
4. Bull FC, et al. World Health Organization 2020 guidelines on physical activity and sedentary behaviour. Br J Sports Med. 2020;54(24):1451-1462.