健診で「血圧が高い」と言われたら?受診の目安と家庭血圧の測り方
健康診断で「血圧が高めです」「高血圧の疑いがあります」と言われても、症状がないため、すぐに受診すべきか迷う方は少なくありません。
血圧は、緊張、睡眠不足、運動直後、ストレス、寒さなどでも一時的に上がることがあります。一方で、高い血圧が続いていても自覚症状がほとんどないこともあり、気づかないうちに心臓・血管・腎臓などへ負担がかかる場合があります。
健診で血圧を指摘されたときは、まず家庭血圧を正しく測り、繰り返し高い状態がないかを確認することが大切です。
この記事では、健診で血圧が高いと言われた方に向けて、受診の目安、家庭血圧の測り方、医療機関で確認することをわかりやすく解説します。
健診で血圧が高いと言われたら、家庭血圧を記録しましょう
健診で一度血圧が高かっただけで、すぐに高血圧症と決まるわけではありません。ただし、繰り返し血圧が高い場合は、医療機関で確認した方がよい状態です。
一般的に、診察室で測る血圧では140/90mmHg以上、家庭で測る血圧では135/85mmHg以上が高血圧の目安とされています。
特に、次のような方は早めに相談を検討しましょう。
- 健診で毎年のように血圧を指摘されている
- 家庭血圧でも高い値が続く
- 糖尿病、脂質異常症、腎機能異常、尿蛋白なども指摘されている
- 頭痛、息切れ、胸の違和感、むくみなどがある
- いびき、日中の眠気、朝の血圧高値が気になる
- 血圧の薬が必要かどうか相談したい
一度高かっただけで高血圧と決まる?
健診会場や医療機関では、緊張や移動直後の影響で血圧が高めに出ることがあります。そのため、一度の測定値だけで判断しないことが大切です。
ただし、健診で高い値が出たことは、血圧を見直す大切なきっかけです。「たまたまだろう」と放置するのではなく、まずは家庭で数日〜1週間程度、朝と夜の血圧を記録してみましょう。
家庭血圧が大切な理由
血圧は、時間帯や環境によって変動します。たとえば、診察室では高いのに家庭では正常な「白衣高血圧」、反対に診察室では正常でも家庭では高い「仮面高血圧」があります。
特に、家庭血圧は普段の生活に近い状態で測るため、実際の血圧の傾向を把握するうえで役立ちます。
健診で血圧が高かった方は、次回の診察時に家庭血圧の記録を持参すると、診療の参考になります。
家庭血圧の正しい測り方
家庭血圧は、測り方によって数値が変わります。できるだけ同じ条件で測ることが大切です。
朝の測り方
- 起床後1時間以内
- トイレを済ませたあと
- 朝食前
- 降圧薬を飲んでいる方は、服薬前
- 椅子に座って1〜2分安静にしてから測定
夜の測り方
- 就寝前
- 椅子に座って安静にしてから測定
測定時のポイント
- 腕帯は心臓の高さに合わせる
- 測定中は話さない
- できれば毎日同じ時間帯に測る
- 1回だけでなく、数日分の傾向を見る
- 血圧手帳やアプリに記録する
家庭血圧は、1日だけの値で判断するよりも、数日〜1週間程度の平均的な傾向を見る方が役立ちます。
受診を考えたいケース
家庭血圧が繰り返し高い
家庭血圧で135/85mmHg以上が続く場合は、高血圧の可能性があります。健診時だけでなく、普段の血圧も高い状態が続いていないか確認しましょう。
健診で毎年血圧を指摘される
「去年も高かった」「今年もまた言われた」という方は、血圧が一時的ではなく、継続的に高めになっている可能性があります。
他の健診異常もある
高血圧は、糖尿病、脂質異常症、腎機能低下、尿蛋白、肥満などと一緒に見つかることがあります。血圧だけでなく、血糖、HbA1c、LDLコレステロール、中性脂肪、尿検査、腎機能なども含めて確認することが大切です。
朝の血圧が高い
朝の血圧が高い方は、早朝高血圧の可能性があります。生活習慣、睡眠、飲酒、服薬状況、睡眠時無呼吸症候群の有無なども含めて確認します。
いびきや日中の眠気がある
高血圧に加えて、いびき、日中の眠気、朝の頭重感、夜間の息苦しさなどがある場合は、睡眠時無呼吸症候群が関係していることがあります。特に、朝の血圧が高い方、肥満がある方、家族からいびきや無呼吸を指摘されている方は、睡眠の状態も確認する価値があります。
すぐに救急受診を考えた方がよい症状
以下のような症状がある場合は、通常の外来受診を待たず、救急受診を検討してください。
- 強い胸痛
- 強い息苦しさ
- ろれつが回らない
- 片側の手足に力が入らない
- 今までにない激しい頭痛
- 意識がぼんやりする
- 急な視野の異常
血圧が高いだけでなく、このような症状を伴う場合は、脳卒中や心臓の病気などを急いで確認する必要があります。
医療機関では何を確認する?
健診で血圧が高いと言われた場合、医療機関では血圧だけを見て判断するわけではありません。次のような項目を確認します。
1. 診察室血圧と家庭血圧
診察室での血圧と、家庭での血圧記録を見比べます。白衣高血圧や仮面高血圧がないかを確認します。
2. 健診結果
血圧以外に、血糖、HbA1c、脂質、腎機能、尿蛋白などの異常がないかを確認します。
3. 生活習慣
食塩摂取、体重変化、運動量、飲酒、喫煙、睡眠、ストレスなどを確認します。
4. 合併症の有無
高血圧は、心臓、腎臓、脳血管などに影響することがあります。必要に応じて、血液検査、尿検査、心電図などを行います。
5. 薬が必要かどうか
薬を始めるかどうかは、血圧の値だけで決めるわけではありません。年齢、家庭血圧、他の生活習慣病、腎機能、心血管病のリスク、生活習慣改善の見込みなどを総合的に判断します。
血圧の薬はすぐ必要?
健診で血圧が高いと言われたからといって、必ずすぐに薬が必要になるわけではありません。
まずは家庭血圧を確認し、生活習慣や他のリスクも含めて判断します。一方で、血圧がかなり高い場合や、糖尿病、腎臓病、心臓病、脳血管疾患の既往などがある場合は、薬物療法を含めた管理が必要になることがあります。
大切なのは、自己判断で放置したり、逆に不安だけで判断したりしないことです。医師と相談しながら、生活習慣改善と必要な治療を組み合わせていきます。
生活習慣で見直したいこと
減塩
日本人の高血圧には、食塩摂取が関係しやすいとされています。味噌汁、漬物、麺類の汁、加工食品、外食が多い方は、塩分が多くなりやすいため注意が必要です。
体重管理
体重増加や内臓脂肪は、血圧上昇と関係します。無理な減量ではなく、食事量、間食、飲酒、運動量を少しずつ見直すことが大切です。
運動
ウォーキングなどの有酸素運動は、血圧管理に役立ちます。ただし、心臓病や膝・腰の痛みがある方は、無理に始めず相談しましょう。
飲酒
飲酒量が多いと、血圧が上がりやすくなることがあります。毎日の飲酒、量が多い飲酒、寝酒の習慣がある方は見直しが必要です。
睡眠
睡眠不足や睡眠時無呼吸症候群は、血圧管理に影響することがあります。いびき、無呼吸、日中の眠気、朝の頭痛や頭重感がある方は、睡眠の状態も確認しましょう。
当院で相談できること
当院では、健診で血圧が高いと言われた方に対して、血圧だけでなく、生活習慣病全体を含めて確認します。たとえば、次のような相談が可能です。
- 健診で血圧が高いと言われた
- 家庭血圧の見方が分からない
- 血圧の薬が必要か相談したい
- 糖尿病、脂質異常症、腎機能異常も指摘された
- 朝の血圧が高い
- いびきや日中の眠気があり、睡眠時無呼吸症候群が心配
- 生活習慣をどこから見直せばよいか知りたい
受診時には、可能であれば以下をお持ちください。
- 健診結果
- 家庭血圧の記録
- お薬手帳
- 過去の血液検査結果
- 血圧手帳またはアプリの記録
家庭血圧の記録があると、診察時に血圧の傾向を確認しやすくなります。
お電話でのご予約・お問い合わせは 092-865-8881(受付時間内)までご連絡ください。
よくある質問
Q1. 健診で一度だけ血圧が高かった場合も受診した方がよいですか?
一度だけ高かった場合でも、まずは家庭血圧を数日〜1週間程度測ってみることをおすすめします。家庭血圧でも高い値が続く場合や、健診で毎年指摘されている場合は、医療機関で相談しましょう。
Q2. 家庭血圧は何日くらい測ればよいですか?
まずは数日〜1週間程度、朝と夜に測って記録すると参考になります。1回だけの値ではなく、複数日の傾向を見ることが大切です。
Q3. 病院では正常なのに、家では高い場合はどうすればよいですか?
家庭血圧が繰り返し高い場合は、仮面高血圧の可能性があります。診察室で正常でも安心しきらず、家庭血圧の記録を持参して相談しましょう。
Q4. 朝だけ血圧が高いのは問題ですか?
朝の血圧が繰り返し高い場合は、早朝高血圧の可能性があります。生活習慣、睡眠、飲酒、服薬状況、睡眠時無呼吸症候群などが関係することもあるため、記録を持って相談するとよいでしょう。
Q5. 血圧の薬は一度始めると一生やめられませんか?
必ず一生続くと決まっているわけではありません。ただし、自己判断で中断するのは危険です。血圧の状態、生活習慣、合併症の有無などを見ながら、医師と相談して判断します。
まとめ
健診で「血圧が高い」と言われた場合、一度の測定だけで過度に不安になる必要はありません。しかし、高い血圧が続いている場合は、症状がなくても心臓・血管・腎臓などに負担がかかることがあります。
まずは、家庭血圧を朝と夜に測り、数日〜1週間程度記録してみましょう。
特に、家庭血圧でも高い値が続く方、糖尿病・脂質異常症・腎機能異常なども指摘されている方、朝の血圧が高い方、いびきや眠気がある方は、医療機関で相談することをおすすめします。
健診結果と家庭血圧の記録をもとに、血圧だけでなく生活習慣病全体を確認していきましょう。
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参考情報
確認日:2026年6月10日
- 厚生労働省 e-ヘルスネット「高血圧」
- 厚生労働省 スマート・ライフ・プロジェクト「血圧」
- 国立循環器病研究センター「高血圧」
- 日本高血圧学会「高血圧治療ガイドライン」
- 日本高血圧学会「早朝高血圧徹底制圧宣言」