症例紹介 2026-03-02 医師監修

イソトレチノイン内服による重症ニキビ治療 症例2例

イソトレチノイン内服による重症ニキビ治療 症例2例

結論

イソトレチノイン(別名アキュテイン)は、ビタミンA誘導体の内服薬で、重症の炎症性ニキビに対して根本的な改善が期待できる治療です。定期的な採血と医師の管理のもとで投与します。

皮脂腺の働きを抑え、毛穴の詰まりと炎症の両方に対して長期的に効果を発揮します。保険診療の外用薬だけでは治らない中等症〜重症のニキビに対する強力な選択肢です。

向いている方 ご注意いただきたい方
  • ○ 保険診療で改善しない炎症性ニキビの方
  • ○ 繰り返す膿疱性・嚢腫性ニキビの方
  • ○ ニキビの再発を根本から抑えたい方
  • × 妊娠中・妊娠希望の方
  • × 肝機能に問題のある方
  • × 重度の脂質異常がある方

カウンセリングと採血でイソトレチノイン内服が可能かを判断し、治療計画をご提案します。

保険診療では改善しない重症の炎症性ニキビに対して、イソトレチノイン内服治療を行った症例を2例ご紹介します。

*(医師監修:平田 詩乃|内科専門医・日本美容内科学会会員)*

*最終更新日:2026年3月2日*

保険診療では改善しにくい重症のニキビに対して、当院のニキビ外来で実施しているイソトレチノイン内服治療の症例を2例ご紹介します。

イソトレチノインとは

イソトレチノイン(isotretinoin)は、ビタミンA誘導体(レチノイド)の内服薬です。アキュテインという商品名でも知られており、海外では重症ニキビに対する第一選択薬として長年使用されてきました。日本では保険適用外となっているため、自費診療での処方となります。

この薬は、ニキビの原因に対して4つの作用を同時に発揮します。

  • 皮脂腺の働きを抑え、皮脂の分泌を減らす
  • 毛穴の角化異常を改善し、毛穴の詰まりを防ぐ
  • アクネ菌が増殖しにくい環境を作る
  • 炎症そのものを抑える

外用薬や抗生剤では一時的に抑えるだけだったニキビに対して、根本から働きかけられるのが最大の特徴です。

症例1・2:繰り返す炎症性ニキビの改善

イソトレチノイン 症例A Before/After
イソトレチノイン 症例B Before/After

どちらも数年にわたり保険診療の外用薬や抗生剤内服で治療していたものの、炎症性のニキビが繰り返し出現していた方の症例です。イソトレチノインを数か月にわたって内服し、新しいニキビの発生が明らかに減少しています。

イソトレチノインの効果は内服開始直後からではなく、1〜2か月かけて徐々に現れるのが一般的です。初期にはむしろ一時的にニキビが悪化することがあり(初期悪化、イニシャルフレア)、これは治療反応のひとつで自然に軽快していきます。

治療の進め方

当院では、患者さんの体重と症状に応じて1日あたりの投与量を決定します。一般的には体重1kgあたり0.5〜1.0mg程度を目安に、低用量から始めて様子を見ながら調整します。

内服期間は症状によって異なりますが、4〜6か月が標準的です。総累積投与量が一定に達すると、内服を終了した後もニキビが再発しにくくなることが知られています。

定期的な採血が必須です。イソトレチノインは肝機能や脂質代謝に影響する可能性があるため、内服前および内服中に肝機能(AST・ALT)、脂質(中性脂肪・コレステロール)、血球数などを継続的にチェックします。

副作用と注意点

最も注意すべきは催奇形性です。妊娠中または妊娠の可能性がある方への投与は絶対禁忌で、内服中および内服終了後1か月間は避妊が必要です。

その他に起こり得る副作用として、

  • 皮膚・粘膜の乾燥(唇、鼻腔、目)
  • 一時的な肝機能や脂質の変化
  • 光線過敏(日焼けしやすくなる)
  • まれに気分の変動

などがあります。多くは用量調整や保湿ケアで対応でき、重篤な副作用は採血でのモニタリングで早期に察知できます。

保険診療との違い

日本の保険診療では、ニキビに対してアダパレン(ディフェリン)や過酸化ベンゾイル(ベピオ)の外用薬、抗生剤(ミノサイクリン、ドキシサイクリン)の内服が一般的です。これらは軽症〜中等症には十分に効果を発揮しますが、中等症〜重症、あるいは繰り返す嚢腫性ニキビには限界があります。

イソトレチノインは、保険診療では対応しきれないケースへの選択肢として、医師の管理下で使用することで大きな改善が期待できる治療です。

ご相談について

イソトレチノイン内服は、強力な効果がある一方で管理の要る治療です。カウンセリングと採血で適応を確認したうえで、治療計画をお話しします。

ニキビ外来の施術ページ
※ 効果には個人差があります。詳しくは医師にご相談ください。
※ 本記事は医師監修のもと作成していますが、個別の診断・治療を目的としたものではありません。

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